皆様 今年の紅白はご覧になりましたか?
つい昨晩のことではありますが、
昨年の最後を飾る仕事となったのは、なんと
あの紅白歌合戦の あの小林幸子さんの衣裳の染でした。
日頃お世話になっております 衣裳デザイナーの方から
頂いたお仕事ですが、小林幸子さんの紅白の衣裳を
染めるのは 初めてのことでしたので、
私自身 いつもとは違う緊張感を感じながら
細い目をパッチリと見開いて
かたずをのんで 登場を待っていました。
なんだか 自分が出るみたいに ハラハラ・・・ドキドキ・・・(笑)
今回の歌は「楼蘭」 伝説の愛の国の美女のお話で
「砂漠からオアシスへ」というテーマでした。
まずは、第一幕。
この様なスタイルで登場されました。
砂漠をイメージした ステージ一面に広がる大きな布です。
とにかく大きな 10m角くらいある布でしたから
取り回しも大変でした。(その大きさの生地を2枚です)
もともと白い生地を 一度 黄色でムラ染めしてから、次に縛り直して
オレンジでムラ染して、さらにもう1回縛り直して 最後に茶色を上掛けしました。
この写真は、2色 染め終わって 最後の茶色をかける前の準備の段階です。
変なシワにならない様に 乾燥室に乾すのもタイヘンでしたが、これが出来上がり。
自然に3色が混ざった様な 一応「砂漠」に見える柄に仕上がりました(^-^)
そして 引き続き 場面転換して 第2幕は「オアシス」です。
さきほど全体に覆われていた「砂漠」の生地が一瞬で取り払われて
こんな美しい 水色の世界へ!
そして 次の一瞬で 染めさせて頂いたオーロラの様な布がひらひらと
舞い上がりました。
風で綺麗になびく様に、「世界一軽くて 薄い」ポリエステルの生地が使われました。
一度 ミントグリーンにムラ染めしてから、下の方をブルーでグラデーション染め
して、さらに 上をピンクでグラデーション染めするという3工程で行った加工
でしたが、照明の関係か そこまで色々な色が入っている様に見えなかったのは
少々残念でしたが、全体のイメージを壊す様な事はなかったので ホッとしました。
加工の工程は以下の通りです。
これが 元々のデザイン画です。
ほぼ完成に近づいて ホッ♪
ご本人の幸子さんには ご満足頂けたでしょうか?
また いつか チャンスがありましたら、
こんなプレッシャーのかかる でも とてもやりがいのある
楽しい仕事を 是非 やらせて頂きたいと思います。
関係の皆様 このたびは 誠に有難うございました。