ここで ちょっと長いストーリーを ご紹介させて頂きたいと思います。
昨年末 ある取引先が 弊社工場の視察に訪れて CSR 改善の指摘を受けました。
恥ずかしながら 当時 「CSR ( Corpolate Social Responsibility - 企業の社会的責任 )」
という言葉の意味さえ良く理解しておらず 戸惑いました。
指摘を受けたのは
人事制度の整備に関すること を始めとして
工場内の 整理・整頓
非常口・避難経路の確保も含めた 防災対策の整備
使用薬品の取扱いに関する項目 や 労災等の記録の整備
廃棄物・排水処理に関する管理体制と記録の保管に関すること など
多岐にわたっており 非常に厳しいものでした。
いったいぜんたい 何をどうすれば良いのか? どこから手をつけたら良いのか 途方に暮れて
何かを始めなければいけないのは解っていても 何から始めるべきか見当もつかず
呆然としてしまった数カ月がありました。
年末年始は 通常の仕事がかなり忙しく ひと段落した2月
取引先 金融機関の方に相談して 商工会議所の中小企業サポート機関をご紹介頂き
さらに 今回の問題に対する対策のとっかかりとして
まずは 整理・整頓から始めるべき ということで
5S (整理・整頓・清掃・清潔・しつけ) の 専門家の先生を派遣して頂いて
一から 改革に向けて スタートしました。
視察して頂いた日から 半年後の6月10日にひとまず完結させる事を目標に
スケジュールを立てて
その第一歩が 3月1日の 5Sキックオフ!
棚田先生には 本当に一から 手とり足とりご指導頂きました。
有難うございます。
社員全員 集合して 気合を入れました。
皆にアンケートを実施したら 5Sに関しては 全く出来ていない事があからさまになり
やらなければいけないことをリストアップして 優先順位をつけました。
世間に誇れる 100年の歴史がある我が社ですが
逆にその分 100年分の垢やほこり 要はいらない物
今まで捨てるに捨てられず 残してきてしまったものが沢山ある事に気づいて
まずは 要るものと要らないものを分けよう ということから始めました。
会社を5つのエリアでグループ分けして 各グループの中からリーダーを決めて
彼らに責任を持たせて 要らないものに印をつけました。
各グループが 必要ないと判断してシールを貼った物に対して
逆に必要だと 感じる人がいたら その人が別の印を貼って保管するという作業を
一週間かけて行って 最終的に 「要らない」 と判断されたものを
「不用品コーナー」に集めたのです。
驚くほど 大量の不用品が集まってしまいました。
産業廃棄物の業者と契約して マニフェストを発行してもらえる様に段取りして
トラックを呼んで 積み込みました。
不用品がなくなって スッキリした後で、さらに 非常時の避難経路の確保の為に
通路を広く確保することに試行錯誤しました。
幅を計って 基準に満たない場合は
テーブル自体のはみ出す部分を ノコギリで切って スペースを広げました。
染料や助剤の容器などの配置を再検討して 使いやすく ラベルが見易い様に
しかも 省スペースを考慮しながら 刷新しました。
染料室も徹底的に清掃して、古い染料等も処分しました。
さらに 自前で薬品棚を制作して、しっかり施錠できる様にして 危険物の薬品を一元管理できる様にしました。
次に行ったのが 消防訓練
取引している 防災設備業者の方に指導して頂いて
訓練用の消火器を持参して頂き 全員で 火事を想定した消火活動の
シュミレーションを体験しました。
そして 並行して行っていた 人事制度の整備
新たに コンプライアンスを遵守した形で 就業規則を作り直して 全体会議で発表
さっそく 労働基準監督署に提出して 運用を始めました。
また、工場内の美化 と 安全性 及び 作業の効率化を図る為の通路の確保を
徹底させる為に 工場内の床を 通路 と 荷物を置いて良いスペースに区分けを明確に
できる様に 色分けしてペイントしました。
これは なかなか 通常の営業日には出来ないので
ゴールデンウィークの長い休みを利用して 矢口と宮原が
ほとんど二人で作業を行いました。
会社は見違えるほど 隅々まで 綺麗に 作業し易い状態になりました。
お陰さまで 目標より少し早く 5月18日をもって 正式な認可工場としての 承認を頂くことができました。
ここまで 半年間 正直言って 大変な道のりでしたが 今は会社全体として
社員全員が 達成感でいっぱいです。
中堅社員が 率先してリーダーシップを発揮し 皆を引っ張って行ってくれました。
そして、若いスタッフ達も 責任感をもって 業務に積極的に取り組む姿勢が芽生えたと思います。
想像以上の成果です。
そして 今回の活動を通して 整理整頓が行き届いた社内は
個々の探し物も減り 無駄な時間を 大幅に削減できています。
作業の効率がアップした為に ミスも減って より良い加工上がりが期待できます。
色々な面で 非常にメリットがあったと思います。
きっかけを与えて下さった BBJ 和田様 MIFの松本様 そして 長森様 有難うございました。
ご指導頂きました 棚田先生 をはじめ 商工会議所の 東條先生
そして 労務管理体制の抜本的な改革にご尽力下さった 藤村先生
色々相談に乗って下さった 先輩の宮谷様 巣鴨信用金庫 樋口支店長
や 友人の 谷口様 西影様
その他 大勢の方々に 色々と力になって頂きまして なんとか達成できたのだと思います。
この場を借りて 心より 御礼申し上げます。
これを機に これで終わりではなく さらにこの活動を進化させて
日本一 綺麗な 染工場 を目指して 改善を突き進めて行きたいと思います。